ジャンルを決めきれない自分を肯定する

カラフルな背景の中に座っている人物のイラスト

前回、「一貫性を見失うと、受け取る人は離れてしまうかもしれない」という話を書きました。
それは今でもそう思っています。でも同時に、「一貫性ってそんなに簡単なものじゃない」とも感じています。

たとえば、ジャンルの話。私はAIを使って、ポップスっぽいもの、チップチューン寄りのもの、ちょっとLo-Fiっぽいもの、いろいろ作っています(というか、選んでいます)。
「統一感があった方が伝わる」とはよく言われます。
でも私は、正直まだ、どれか一つに決めきれないんです。(自分で矛盾しててごめん笑)

もちろん、自分なりの方向性はあります。
8bitの電子感を抑えてレトロな雰囲気にしたい、とか。チルすぎず、ポップに動かしたい、とか。
でもその中にも、テンポの違いや、ちょっとした音色の選び方で、雰囲気がガラッと変わることがあります。

自分でも「あれ、これって前に出した曲とちょっと違うかも」と思うことはあります。
それでも、いまの私は、“その違いも含めて自分だ”と感じているんです。

いまはAIで、いくらでも曲を出せてしまう時代です。
数が多いからこそ、「バリエーションがある=ブレている」と思われることもあるかもしれません。
でも、私は「迷っていること」「ゆれていること」そのものが、自分のスタンスを作っているとも思っています。

誰もが“ジャンル特化”の専門家である必要はないし、
私自身は「この人、こういうのもやるんだ」という発見があるアーティストが好きです。

一貫性が大切、という気持ちは変わりません。
ただしそれは「すべて同じ色で揃えること」ではなく、「どんな色でも“自分の選び方”が通っているかどうか」だと思うのです。

だから私は、ジャンルを絞らずに、自分の“いいな”と思ったものを出しています。
その中にきっと、聴いてくれた人が「あ、これはSSJっぽいな」と感じてくれる何かが、少しずつ積み重なっていくと信じています。

軸はぶれずに、色は変えてもいい。
そんなスタイルがあってもいいんじゃないかと、今は思っています。